優待クロスの配当落ち調整金の取扱い

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クロス時に信用売りで生じる配当落ち調整金。
今回は、ちょっと複雑な配当落ち調整金の扱いについてまとめてみます。

権利日通過後、2~3か月で配当落ち調整金と配当が入ってきます。
このとき、一般信用クロスと制度信用クロスでは、扱いが異なってきます。

ここでは、分かりやすいように1000円配当があったとして、考えていきます

配当時:一般信用売りの場合

配当時の収支(配当1000円の場合)

配当落ち調整金:1000円支払い
現物株の配当:1000円入金
配当の所得税源泉徴収:153円支払い
配当の住民税源泉徴収:50円支払い

差し引き:-203円

配当落ち調整金は、配当の100%です。よって…1000円の支払い。
現物株保有による配当金は1000円です。
しかし、源泉徴収により所得税15.315%で153円、住民税が5%で50円徴収されます。合計203円徴収されますので、入金金額は797円となります。
配当落ち調整金は1000円支払いですので、この時点では-203円となります。

年末の損益通算時:一般信用売りの場合

特定口座の場合は、年末に譲渡損益と配当金が通算されます。
ここで重要なのは、配当落ち調整金は配当ではなく「譲渡損益」の方で計算されていることです。

税引き前の金額について注目します。
1000円の配当金に対して、配当落ち調整金=譲渡損1000円です。
よって、損益は0円、支払うべき税金は当然0円です。

すでに配当金支払い時に203円を、源泉徴収で支払っているので、この203円が戻ってきます。最終的には、差し引き0円となります。

配当時:制度信用売りの場合

配当時の収支(配当1000円の場合)

配当落ち調整金:846円支払い
現物株の配当:1000円入金
配当の所得税源泉徴収:153円支払い
配当の住民税源泉徴収:50円支払い

差し引き:-49円

配当落ち調整金は、配当の84.685%です。
これは、配当落ち調整金=配当金-所得税源泉徴収相当額で計算されるためです。
所得税源泉徴収相当額は、配当の15.315%です。
よって、配当落ち調整金は846円となります。

あとは、一般信用の時と同じです。
現物株保有による配当金は1000円です。
しかし、源泉徴収により所得税15.315%で153円、住民税が5%で50円徴収されます。合計203円徴収されますので、入金金額は797円となります。
配当落ち調整金は846円支払いですので、この時点では-49円となります。

年末の損益通算時:制度信用売りの場合

同じく、配当落ち調整金は「譲渡損益」の方で計算されますので…

税引き前の金額について注目します。
1000円の配当金に対して、配当落ち調整金=譲渡損846円です。
よって、利益が154円、支払うべき税金は、この154円の21.315%です。

154円×21.315%=32円(小数点切り捨て) です。

すでに配当金支払い時に203円を源泉徴収で支払っていますが、本来支払うべき税金は32円ですので、
203円-32円=171円 が損益通算で戻ってきます。
さて、複雑になってきましたが。
制度信用売りの場合の最終的な結果はこんな感じです↓

配当落ち調整金:846円支払い
現物株の配当:1000円入金
配当の所得税源泉徴収:153円支払い
配当の住民税源泉徴収:50円支払い
損益通算で還付される額:171円入金

合計:122円

ということで、122円が手元に残ることになります。
制度信用の場合は、クロスしても配当の12%程度が手元に残るんですね。
簡単な説明はカブコムのHPにも記載されていますので、こちらを参照してください。
↓のページの下の方の「制度信用取引の場合(配当調整金 84.685%)」のところです。
信用取引の概要
http://kabu.com/item/shinyo/detail.html

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コメント

  1. しょう より:

    こんにちは。日頃なんとなく理解してた配当金調整金について確認できました。質問なのですが、制度信用の調整金は何故所得税分のみで住民税の5%がかからないのでしょうか?

  2. ぐっぴよん より:

    詳しい説明有り難うございます。
    ただ、税金がかかるかどうかは個別株それぞれの収支ではなく年間トータルの収支によりますんで、そこを知らずに一般信用のでも制度信用でも配当落調整金による収支は結果的に同じというのに違和感がありまして。巨額の損している人位しか関係の無いことですが。いろいろ細かくてすいません。

  3. あけましておめでとうございます~
    今年も宜しくお願いいたします。
    最近コメントはしていませんが、色々記事を見ています、その中で一番興味があったのは、スワップ金利で生活することができるのか?凄い斬新で興味が有り何回も読み返しました。個人的もトルコリラ何とかしたいと思っているので・・・><

    今年も色々な記事楽しみにしていますのでお互い頑張りましょう~♪

  4. あんこ より:

    しょうさん、こんばんは。
    配当落ち調整金に住民税が考慮されないかですが、ちょっと複雑です。

    信用売りは証券金融会社から株を借りて、その株を売っていることになります。
    本来なら、証券金融会社はその貸した株の配当金を受け取れますが…株を貸して売却されてしまっているため、その配当金を受け取れません。 
    その分、貸している人から配当金に相当する額を徴収するわけですが…。(これが配当落ち調整金)

    法人である証券金融会社の場合、配当金は所得税のみが源泉徴収され住民税は源泉徴収されないんですね。ですので、本来は証券金融会社が受け取るはずの所得税が源泉徴収された金額が配当落ち調整金として徴収されます~。

    • しょう より:

      そうだったんですね、さすがです!スッキリしました、ありがとうございました(^^)

  5. あんこ より:

    ぐっぴよんさん、こんばんは。
    そうですね、最終的に「税金がかかる」かどうかは、その口座の損益によりますので、何とも言えませんが…個別に分解して考えれば上記のようになりますし、そのうえで、様々なケースで、どのような計算になっているかは考えられるかと思います。
    あと、制度信用と一般信用でのクロスの配当落ち調整金の収支は、最終的に違う計算になります~。

  6. あんこ より:

    ぷくぷく福耳さん、あけましておめでとうございます。
    FXは、引き続き取り組んでいます。トルコリラも、実は少し買ってるんですよ~。ベタですが、ドルコスト平均法で、取得単価を慣らすようにしてますが。
    今年も、楽しみながらいろいろ頑張りましょう!

  7. まいまい より:

    >一般信用売りの場合
    >最終的には、差し引き0円となります。

    これは通常の取引と優待クロス(一般信用)合わせて年間損益がプラスの人も、マイナスの人も、最終的には結果として差し引き0円(損も得もなし)と言う認識でよろしいでしょうか?

  8. あんこ より:

    まいまいさん、こんばんは。
    結果的には、同じですね。
    その口座がトータルで譲渡損が生じている場合は、年末の通算で配当から差し引かれた分の税金が戻ってきます。配当落ち調整金で1000円の譲渡損が、トータルの譲渡損に加算される代わりに、配当には1000円加算されて、最終的に通算で税金が計算されることになりますので、通算時への影響はなくなります。
    その口座がトータルで譲渡益が生じている場合には、配当落ち調整金の譲渡損を計算した時点で、今までの譲渡益から1000円マイナスされ、納めていた譲渡益1000円分の税金203円が戻ってきますので、配当の797円と合わせて1000円プラスとなり相殺される形となります。
    結局、口座でトータルが譲渡益の場合は、年末に配当と通算しても通算時に税金は戻ってきませんが、その代わり、配当落ち調整金の譲渡損を計算した時点で戻ってきています。戻ってくる形は異なりますが、結果的には一緒です。

  9. ねこ より:

    いつも参考になる情報、ありがとうございます。
    制度信用の方が出費が少ない、というような感じを受けますが、
    逆日歩のリスクを考慮すると、どうなんでしょうね?

  10. あんこ より:

    ねこさん、こんにちは。
    一般信用でも制度信用でも、各社取引手数料が変わることはありませんので、費用の差として出てくるのは
    ・逆日歩(制度のみ)
    ・配当落ち調整金(制度の方が安い)
    ・貸株料(概ね 長期一般制度 < 制度長期一般 < 短期一般)

    一般だと何日もクロスすることが多いので…全体的に一般の方がコストが高めですが、逆日歩は一発食らうと大きいので、やっぱり何とも言えません^^;逆日歩外はクロス時に確定しますが、不確定要素の制度の逆日歩はその時々、銘柄にもよりけりですしね。

    • ねこ より:

      コメントありがとうございました。
      一概には言えなく、銘柄や、その時の状況によるってことですね。油断しないで注視するのが大切と感じました。

      • あんこ より:

        ねこさん、おはようございます。
        貸し株料は、おおむね 制度<長期<短期 でしたので、訂正させてください。
        制度は不確定の逆日歩がネックなので、そのリスクと、一般のコストと制度のコストの違いを天秤にかけるって感じですかね。

  11. ハナビンビン より:

    制度信用でクロスしたら配当の12%程度が戻ってくるとの事ですが
    あんこさんは実際に制度でクロスしたりするのでしょうか?
    ヤマダ電機なんかは過去の逆日歩をみてもかなりリスクは低いと思います
    あんこさんは3月銘柄であえて制度でクロスしたりしましたか?

  12. あんこ より:

    ハナビンビンさん、こんばんは。
    そうですねー、手数料の関係から、安全そうなものとか、資金移動が間に合わなかった場合とかにはGMOやSMBC日興で制度クロスやりますけど、あんまり配当金は意識してやりませんね~。あとは、どうしても欲しいので一般がない場合くらいしか。
    私は、できるものはなるべく一般を使っています~。

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