資本剰余金の配当から利益積立金を逆算する~コメダの配当の件

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おはようございます。
先日、コメダの資本剰余金からの配当ということで記事にさせていただきましたが…

その後、読者のクッピーラムネさんから、詳しくいろいろ教えていただきまして。
自分の知識を整理するために、もう一度、記事にしてみることにしました。

ざっくりとしたところで書いてみようかと思います。

配当はどこから出てくる?

余ったお金から配当することができます。
法律で決められていて、会計上の「剰余金」から出てきます。
この剰余金は「資本剰余金」と「利益剰余金」の2種類。

通常の配当は「利益剰余金」から配当され、これは普通に「配当」として株主に支払われます。

今回のテーマは「資本剰余金」からの配当場合です。

コメダの今回の配当は…

今回の配当金は「資本剰余金」を配当原資としてお支払いいたします。

とあります。

資本剰余金からの配当だと…どうなる?

・税務の取り扱いが異なる
・取得単価の調整が行われる

普通の配当と違って、いろいろ、面倒なことが起きます。
利益剰余金がきちんとある会社なら、通常は利益剰余金から配当するものですが…
(参考:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/adachi/adachi_20120223.html)
この利益剰余金が少ないと、資本剰余金からの配当を実施することがあるってことですね。

会計上と税務上で配当原資の考え方が違う!

通常は「利益剰余金」からの配当と記述しましたが、税務上は考え方が違います。
税務上の配当は、通常は「利益積立金」から実施します。

ここがややこしい。

「利益剰余金」や「資本剰余金」というのは会計上の考え方で、税務上は「資本金等の額」「利益積立金」という2つに分けて考える必要があります。
これは、税務上は「利益」と「利益以外」を厳密に区別する必要があるから、ということみたいです。細かい話は置いておいて、とりあえず、

通常ではない「資本剰余金を原資」とする配当があった場合はきちんと利益からの配当と利益以外の配当を区別する必要が出てくる

こういう面倒なことが起きるということです。そして、これにより、配当を受ける我々の税務上の取り扱いが変わってくることになります。なお、税務上の「資本等の額」や「利益積立金」は、IRでは知ることができませんが・・・逆算することができてしまうんです。

数字から逆算ができる

クッピーラムネさんから逆算の方法を教えてもらいました。
今回、コメダから通知された内容は以下の通りです。

配当金総額:10.963億円
減少した資本剰余金の額:10.963億円
純資産減少割合:0.067
配当:25円
配当の内訳→資本剰余金からの配当
みなし配当:3.544円(割合としては14.176%)
みなし配当以外:21.456円(割合としては85.824%)

簡単に計算するため、下4ケタで四捨五入して計算してみます。

減少した純資産は?

資料より、減少した資本剰余金の額は10.963億円です。

発行済み株式等の総数は43,853,250株、一株当たり25円の配当ですので
43,853,250株×25円=10.963億円 で、今回の配当は、全額が資本剰余金からの配当となります。(利益剰余金からの配当はなし!)

純資産減少割合から純資産を求める

純資産減少割合は0.067です。
配当のために減少した純資産が10.963億円、これが0.067、ってことですので、
割り戻してみましょう~。

10.963億円÷0.067=163.632億円 !!

これが、配当を実施する前の「純資産」ってことになります。

10.963億円の内訳を考える

今回、配当は…

みなし配当:3.544円(割合としては14.176%)
みなし配当以外:21.456円(割合としては85.824%)

でした。ですので、みなし配当とみなし配当以外の額は

みなし配当以外の金額:10.963億円×85.824%=9.409億円
みなし配当の金額  :10.963億円×14.176%=1.554億円

となります。

このみなし配当の1.554億円は配当と同じく取り扱われ、会社側からすると「利益積立金」からの配当となります。
みなし配当以外の9.409億円が「資本金等の額」から減額されることになった金額です。つまり、取り崩し分、ってことですね。

「みなし配当以外」を考える

「みなし配当以外」の9.409億円は、税務上の「資本金等の額」から減少割合である0.067をかけた額になります←ここ重要
つまり、

資本金等の額 × 0.067 = 9.409億円

という式が成り立つので、資本金等の額は…140.433億円 と計算することができます。

純資産が163.632億円でしたので、ここから140.433億円を引くと

163.632億円-140.433億円=23.199億円

これが、配当前のコメダの利益積立金となります!!

(あれ? 配当総額より多いけど…利益積立金だけで配当支払えたんじゃない? どういうこと?? というツッコミは、ここではナシで。。。)

おさらい

今回、いきなり逆算ということで複雑になりましたが…
会社側から見てみなし配当割合などを計算しようとすると↓のようになります。

comeda_haitou
簡単におさらいするとすれば

①純資産を純資産減少割合と配当総額から逆算する
②みなし配当以外の総額を、みなし配当とみなし配当以外の割合と配当総額から計算する
③みなし配当以外の総額から、税務上の「資本金等の額」を逆算する
④配当総額-資本金等の額 で利益積立金の計算をする

これで、概要がわかります^^

長くなりましたね~…本当に複雑です><

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コメント

  1. クッピーラムネ より:

    あんこさんこんばんわ、コメダまとめお疲れ様です。
    私の説明より全然わかり易いです(^ω^)

    楽天証券のリンク読んでみましたが、確かに、最後の方に書いてあるように、会計上の利益剰余金の残については連結財務諸表ではなく個別財務諸表で判断した方がいいですね。
    来年4月の本決算じゃないと個別財務諸表は出ないんで、すぐにはわかりませんが…

    私も資本剰余金からの配当はそうそう取り扱わないので、今回勉強になりました。
    また何か気づいたことあったらコメント致します~

  2. あんこ より:

    クッピーラムネ さん、こんばんは。
    個別財務諸表楽しみですね。忘れてなければ、また続き記事にしてもいいかもと思います。
    わたしも、すごく勉強になりました~。ありがとうございました。ぜひ、またいろいろ教えてください!

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